ピアノ教室を開き、準備も整い、さぁ生徒募集をしようと言う時、スタンダードなセオリーとしては、まずピアノ教室の看板とチラシを作りますよね。
例えばチラシは、お住いの地域の範囲から配布することが多いと思います。
今回の記事タイトル ” エリア外から選ばれる教室 ” とは何か?というのは、
ご近所からばかり生徒さんがいらっしゃるわけではない
ということがわかったからです。
大人の方が多いのですが、わざわざ少々遠方の教室を探してこられる、という方がけっこういらっしゃるんです。
「遠くからでも生徒さんって来ていただけるの?!」
と思った方は、今回の記事はわりと目から鱗かもしれません。そして、そのために特別に難しいことはしなくても大丈夫です!
必要なのは「生徒さんがいらっしゃるイメージをちょっと変える」ということだけです。
さて、いってみましょう!
近所のピアノ教室を選ばない生徒さん
うちの教室には、学区外、区外からも通ってくださる生徒さんがいらっしゃいます。大人の生徒さんもいらっしゃいますし、お子さんの生徒さんもいらっしゃいます。
私は、ピアノ教室を始めると決めた当時、やはりセオリー通り、近所のお子さんたちが通ってくれたらいいなぁというイメージで生徒募集をしました。
そして、不便な場所に教室があるので、自宅レッスンの他に、出張レッスンというスタイルで20年以上やってきました。
長年やっていくうちに実にいろいろな地域、さまざまな動機でいらっしゃる生徒さんがいるんだなぁと経験したことをちょっと書いてみようと思います^^
生徒さんのピアノを習いたい心理を考える
たいてい習い事を始めるときは、なるべく近所で、アクセスも良いというなんといっても「通いやすい」教室を探すと思うんですね。長く習い続けることを考えると、通いやすいのが一番です。
ではなぜ、ご自宅から遠い私の教室に通いたいと思ってくださるんだろう?
うちなんてアクセスははっきりいって悪いです。バス停は目の前ですが、交通機数時間に一本しか通りませんし、普通に生徒募集をしたってなかなか生徒さんが集まるような条件には当てはまらない本当に不便なところにあるピアノ教室です。
大人の生徒さんにピアノを習いたい動機を伺いますと、
- 近所にピアノ教室はあるけれど、知り合いだったり、通っているのをご近所に知られるのも少々恥ずかしい
- 月に数回、自分で運転してドライブも兼ねて(自然豊かな立地ですので^^;)、こういう自然が美しいところでピアノを習いに来れたら素敵だな、と思って
ということをおっしゃっていました。
「なるほど!」
思ってもみなかったことを生徒さんに逆に生徒募集のツボを教わった気持ちになりました。
特に一つ目の動機って確かに、近所の教室だと気恥ずかしい気持ちもありますし、もし入会をやめようかなと思う時や、退会しようかなと思った時、その後のお付き合いも気まずい思いをされるかもしれませんよね。
教室側としてはそういうことはまったく気にしないのですけど、習う側からするとそういうことも考えてしまうのかもしれません。
二つ目は、これはこれで不便を逆に、教室のアピールポイントにもなるのかな、と思ったんですよね。
デメリットがメリットになるわけです。
このデメリットをメリットに変えて発想の転換をすると…
なんだかうちってとっても魅力的な教室かも!!と感じますね(笑)
学区外から通ってくださる生徒さん
お子さんの生徒さんが学区内じゃないのに通ってくださるというのは、非常にありがたく嬉しいことです。
うちの場合、はじめから学区外から通われるのではなく、最初は近所に住んでいたけど、学区外に引越したからピアノ教室が遠くなってしまったけれど、ピアノ教室を変えることなく、引っ越した地域から今も通ってくださるというケース。
そして、以前遠方から通われていた大人の生徒さんのご紹介でいらっしゃったお子さんもいます。こうやって看板ひとつでつながっていくんです。
ですからうちの教室のお子さんの生徒さんは、自宅教室でありながらさまざまな学区から通ってくださっているという状況です。
習わせる親御さんの心情を考えると、引越し先で新しく教室を一から良い先生を探すのも大変だし、小さい頃からお世話になっていて、先生も自分の子のことをよく知っている先生にそのまま教わりたいということのようです。
私たちが習う時のことを考えても、この先生だからずっとこの先生に教えてもらいたい!と思いますし、少々遠くてもその先生のレッスンを受けたいですよね。
著名な先生ならいざ知らず、私のような普通のピアノ講師にもそのように通ってくださるということは、本当にありがたいですし、遠くなってしまってもなお通いたい、という生徒さんの動機があるからなんだと思います。
そもそも習い事というのは、先生と生徒のマンツーマンのレッスンです。お互いの信頼関係なしに成り立たないし、デリケートなものですよね。
長年付き合うからこそ、その生徒さんのいいところもそうでないところもわかり、良いレッスンが提供できると思います。
だからよほどの遠方に引っ越さない限り、教室を変えようとはならないんだろうな、というのが経験上の実感です。
ピアノを習いたい人の心理を知って生徒募集をする!
ということで、生徒募集をしたことがないとどうしてもスタンダードに看板、チラシ配布で生徒を待ちましょう、となりがちですが、こういうケースも当然ありますから、生徒募集も意識の持ち方を広くとらえると、方法も広がるのではないかと思います。
遠くから来てくださるからこその看板・チラシ
そうすると看板やチラシを作る意味がぐっと現実味を帯び、いろんな人が見ていることがお分かりかと思います。
ここで大事なことは、
- この看板は遠方の生徒さんとの出会いがあるかもしれない、という気持ちでいること(受け入れるときに慌てることがなくなります)
- チラシには、駐車場があること、遠方から通ってくださる方もいること、通いたくなるようなアピールポイントを一言載せること
です。
うちの場合、大人の生徒さんは、100%看板からいらっしゃってくださいます。車で通りかかって気になっていて、ドライブのついでにどんな教室か立ち寄ってくださったり、私が不在の時は、看板に記載した電話番号を控えて、後日お電話いただいたりします。
そして、チラシは、配布エリアにもよりますが、車で30分ほどなら通っても大丈夫という方が多いように思います。バスで通ってもいいという方もいらっしゃいます。
うちの場合のアピールポイントは
「四季を感じられる自然豊かなところにあるピアノ教室」
になるんでしょうね^^
HP・ブログ
ネットからの募集というのは、ぐっと募集エリアが広がります。
よく「◯◯市△△区のピアノ教室 ♡♡♡」のようなブログやホームページがありますが、それ以外の地域の方も閲覧できるわけです。
遠くから通ってもらっちゃ困るという先生以外は(笑)、
- ◯◯区や◇◇地域の方も通われていますという一言を載せる
- 遠方でもアクセスが良い場所であれば、アクセスの良さをアピール
といった、他の地域からの入会も歓迎するアナウンスをしておくといいんじゃないかなと思います。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
まぁ、いわゆるマーケティングっていうんですか?そのセオリーから言えば近所からいかに生徒さんに来ていただくかということに力を入れるのは確かに鉄板中の鉄板です。
そう強くおっしゃるピアノ教室コンサルさんは本当に多いです。
でもですね、実体験から言いますとピアノ教室って鉄板な部分だけ押さえていればいいわけではないんです。実際はそれだけじゃないんです。
生徒さんの生の声として、
自分の楽しみのために時間とお金をかけるからこそ、こだわりがあって教室探しをするという人も必ずいらっしゃいます。
やることは、看板・チラシ、ネット媒体から生徒募集、いずれも「遠方からの生徒さんも歓迎」という先生の受け入れ可能であるということをアナウンスすることだけです。
ぜんぜん難しいことではないですよね^^?