こんにちは!marbleです。
私たちピアノ講師は、とにかくピアノが好きでたまらなくてついには職業までにしてしまった、という人が多いと思うんですね。だからその大好きなピアノを生徒にも伝えたくて、楽しさ、素晴らしさを味わってもらいたくて一生懸命レッスンしています。
ですが、人生をピアノに捧げられる人なんてほんの一握りです。
ピアノは生活の一部だということ
ピアノの優先順位を上げるために
ピアノ愛が人よりも大きい自覚が私もあります。
ピアノを習いにきてくれている生徒さんはいろんな趣味、嗜好、特技がたくさんありますよね。その他に勉強もしなくてはいけない。学校行事もあるし、部活動もあります。
そして、ピアノを弾くのも大好き。ピアノ一色の生活ではない生徒さんが大多数ですよね。
私たちが見ている生徒さんは、ピアノが好きという一面を持っている状態の生徒さんと向き合っている仕事です。何が言いたいかと言うと、最初から自分と同じレベルで生徒さんに求めてはいけないな、と思うことです。
例えば、何をおいてもピアノの練習を最優先しようとか、毎日ピアノの練習をやりなさい、とか。学校の宿題や部活もあるだろうことを置いておいて、ピアノの宿題(ドリル系のものなど)をたんまり出すとか。
もちろん、ピアノは毎日練習してほしいですよね。絶対に上手になりますし。
勉強でもそうだと思うんですが、
「◯時間毎日勉強しなさい」
と言ったとして、まぁそのくらい毎日やれば成績も上がることは予想されますが大事なことって、忙しい毎日の中で勉強できる時間がどれだけ捻出できるか、どうすればその時間が作れるか、を考えることだと思うんですね。
言うのは簡単。
それを実行する身になって考えたレッスンをしたいなと思うんです。ピアノの先生にまでなった人は、おそらくピアノ漬けな人生を送ってきた方も多いでしょう。それを生徒さんみんなができる環境かどうか?というと全員ではない、ということです。
私だってもちろん、毎日練習してほしいですよ。でも、そうはいかないのは自分でも経験済みなので簡単に言うなよ、とは思ってしまいます(笑)ピアノの優先順位をあげて欲しかったら、生徒さんの生活サイクル、環境を理解することがまず先決です。
ピアノを向き合う素敵な時間に変化する
生徒さんにとっては、ピアノはあくまでも生活の一部。どんなに短い時間だとしても大事な時間ではありますが、一部なんです。そこを理解することから始まります。
だから、毎日練習するには、今の自分の時間をどうやりくりするか、ピアノが自分にとってどういう位置付けで、どのくらいならできそうか、その成果をレッスンでたくさんほめて、ピアノのために費やした時間の価値の素晴らしさを教える。そして、先生から今度は、このくらい練習できたらいいよ、というのも提案しながら、生徒さん自身に考えてもらうように一緒に考えながら練習スケジュールを作ってあげましょう。
「もう少し練習できればよかったかなー」
と言うのは楽ですが、
「よし、あと1日練習増やしたらもっと楽しく弾けそうだけど、どうしようか?」
と生徒と一緒に考えます。
せっかくピアノを習っていて、習っていない子よりもピアノのためだけに時間を割いている努力を自分で認めて意識してもらいたいなと思うんです。そしてその価値をが素晴らしいことだと感じてもらいたいですよね。
それには、生徒さんなりの生活がありますから、ピアノの優先度がどのくらいにあるのか探りながら、なおかつこちらも生徒さんのピアノ愛をちょっとずつ高めていけたらいいなーと思いながら(笑)毎日生徒さんと向き合っています。
高校受験を控えた生徒がいました。勉強もすごくできて、毎日夜遅くまで塾に通っています。その中で、ピアノにもちゃんと通ってきます。
「先生、私毎日勉強ばっかりだから、ピアノのレッスンの時はすごくリラックスできて、なくてはならない時間なんです。ピアノ弾いている時間は勉強のことも忘れられるんだ」
と言ったことがありました。
この生徒さんにとっては、ピアノ愛はもちろんあるけれど、その時期は進学のための勉強がすべてな生活です。だけど、そんな生活の中でピアノを弾く時間はその生徒にとって何にも変えがたい大切な愛おしい時間になっているんです。
こうして、ピアノの位置付けを先生が把握できれば生徒さんにとっても幸せだと感じるレッスンの提供もできるんだろうなぁと思います。